遺伝子組み換え作物、表示制度変更へ−「なし」は使えず

2018年03月16日 07:43

世界で栽培の広がる遺伝子組み換え作物。日本は最大の輸入国の一つだが、これまでその混入率が5%以下ならば、「遺伝子組み換え食品でない」という表示ができた。消費者庁の有識者会議は14日、それができないようにするなどの表示改正案をまとめた。表示制度は厳しく変更される。

同制度の概要と問題「食品表示制度、誤認を忖度で許すのか? 「遺伝子組み換えでないものを分別」なのに混入

ポイントは
1) 遺伝子組み換え食品が完全に混入ゼロである場合以外は「ない」という表示が使えない。
2) ただし、実際の現場では分別に取り組んでも混じってしまう「意図せざる混入」が発生してしまうことを考え、0−5%の間には、消費者の誤解を招かないようにするため、別の表記を認める。消費者の誤解を避けること、これまで非遺伝子組み換え作物の調達を努力してきた食品製造者に配慮した表示を認める。
3) 消費者庁が示した案によれば、「遺伝子組み換えダイズができるだけ混入しないよう、生産・流通・加工の段階で適切な管理を行っています」「分別管理された大豆を使用していますが、遺伝子組み換えのものが含まれる可能性があります」などがあげられている。

遺伝子組み換え作物の表示について定めた今の制度は、2001年に始まっていて、大豆やとうもろこし、菜種など8つの作物と、それらを使った豆腐、スナック菓子など33種類の加工食品が対象になっている。現在の制度では、5%以下ならば「遺伝子組換えでない」と表示できる。非遺伝子組み換え作物を輸入する際、それを積んだことがあるコンテナ、サイロなどの輸送手段を使うと、入念に清掃しても、全てを取り除けず、それらが混入してしまうことがある。そのために食品業界に配慮した。

消費者庁は、食品表示制度の見直しを進める中で、遺伝子組み換えの制度の見直しを進めた。

検討会の座長で東京海洋大学の湯川剛一郎教授は、「より細分化した詳細な情報が提供できるようになったと考えている。ただし、消費者がどのように受け止めるかは、今後の制度の告知次第だ。消費者庁が表示の例を示すが、事業者もどうしたらわかりやすい表示ができるか、消費者と一緒に考えてもらいたい」と、審議会で話した。

◇新制度は消費者に分かりやすいのか

この遺伝子組み換え食品についての新しい表示の制度は、今後、消費者委員会での議論などを経て変更される見通しだ。ただし、監視・検査制度づくりが必要で、いつまでに行われるかは不透明だ。食品業界は、先行して動いていくものと見込まれる。

ただし、このような表記は逆に、消費者に混乱を招きかねないのではないかという懸念もある。0%~5%以下の混入率の枠にあえて「努力しています」という任意表示を作るなんてことをやっているのは日本だけだ。

「混入を防ぐ」などの表現を使えば結局、「入ってない(ゼロ)」という消費者の誤認は変わらないし、むしろ危ないものだから避けなくてはという警告表示に感じられるおそれがある

そもそも、遺伝子組み換え作物は1996年に市場投入をされ、健康被害は発生していない。それなのに、このような制度を導入するのは、意味があるのか疑問がある。行政が任意表示に介入する、そしてやっていいとおすみつきを与えるなら、事実誤認、安全誤認がないような指針にする責任がある。

誤解をまねく表示をなくし、消費者の不安を払拭するための遺伝子組み換えのための対策が必要ではないだろうか。

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